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伊平屋島の田名(ダナ)海岸にそびえ
立つ岩山にはクマヤーガマと呼ばれる洞
穴があります。クマヤーは「こもる」と
いう意味で、ガマとは「洞窟、洞穴」の
ことです。クマヤーガマ高さ約10メート
ル、広さ200坪ほどの広さで別名「天の
岩戸」ともよばれています。天の岩戸と
は天照大神(あまてらすおおみかみ)が
こもったとされる伝説の岩穴です。神が
こもっていたことからクマヤーガマとよ
ばれるようになったというそうです。江
戸時代の歴史学者であった藤原貞幹(ふ
じわらのさだもと)が天の岩戸は伊平屋
島にあるとの説を発表して以来、多くの
学者や研究者がクマヤーガマの調査に訪
れています。今でもクマヤーガマは聖地
としてあがめられ、参拝者などの姿が絶
えません。
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無蔵水(ンゾミジ)とは、伊平屋島の北東の海岸にある巨岩の泉で、この岩には貞女伝説があり
ます。昔、田名村に中のよい夫婦がいました。ある夏、サバニで釣りに出た夫婦が突然の嵐で流さ
れてしまい、村の人々は死んだものとあきらめました。妻は村一番の器量好しであたっため再婚話
が持ちあがりましたがその話は全て断り続け、無蔵水の岩の上で機織をしながら夫の帰りを待ちわ
びました。やがて妻の織りつづけた布が水平線のかなたにとどきそうになったころにその思いが通
じたのか夫が無事に帰ってきたということです。そして夫婦はいつまでも仲良く暮らしました。
この伝説から、「大田名の後に、無蔵水のあゆん 夫ふゆるあんぐわ あれにあみし」との歌も生まれました。
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