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 「マングローブ」とは熱帯、亜熱帯地域の海岸沿いで海水と淡水が混じりあう場所に生育する「植物群の総称」です。
マングローブと呼ばれる植物は熱帯、亜熱帯地域に100種類ほどあります。特に川の河口から海岸線にかけて大きな群落を形成しています。日本では沖縄県を中心に分布していて、北限は鹿児島県となっています。沖縄の古い書物に「ひるぎ」(漂木)という言葉が使われ、今でもヒルギという名がマングローブの和名となっています。
マングローブ
   沖縄本島北部地域では東村の慶佐次(げさし)川<1971年国指定天然記念物に指定>、
名護の大浦(おおうら)川、金武町の億首(おくくび)川などで観察することができます。
オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキ、ヒルギダマシ、
マヤプシキ、サキシマスオウノキ、ニッパヤシ、ミルスベリヒユなどが群生しています。
 

 
 
<オヒルギ>(ヒルギ科)
マングローブ群の中で最も高木になる種類です。熱帯地域においては20メートルを超えるものもあります。沖縄で確認できるのは5〜10メートルほどです。比較的上流側に群生しています。ウィンナーのような形の「胎生種子」と地表面に屈曲して膝のように飛び出した「屈曲膝根」とよばれる根が特徴です。奄美大島が北限となります。

オヒルギ
 
  自然の連続再生:29分16秒  
 
 
 
 
 
 
 














メルヒギ  

 <メヒルギ>(ヒルギ科)
別名リュウキュウコウガイともいわれます。河口から中流にかけて多く群生しています。特徴は葉の先端が丸いことと、細長い「胎生根」と呼ばれる木になったまま発芽する種子です。充分に種子が熟成してくると自然に脱落し親木付近に刺さって生育したり、川の流れにのって漂流します。鹿児島県が北限となります。

   

 <ヤエヤマヒルギ>(ヒルギ科)
河口域のマングローブ群の海側に多く見られます。約8メートルの高木にもなる種類です。大きな特徴は「支柱根」と呼ばれるタコの足のような呼吸根です。沖縄本島が北限となります。
ヤエヤマヒルギ

ヒルギモドキ  

 <ヒルギモドキ>(シクンシ科)
本来は高木になる種ですが沖縄においては高さ3〜5メートルほどの低木です。 花は白色、果実は緑色の長楕円形で約1.5センチほど。沖縄本島が北限となります。沖縄本島では金武町の億首川でも数株しか確認できない希少種です。
   
 
  マングローブ群には様々な生き物が生息しています。
樹木などの落葉や泥の中のなどの有機物を餌とするカニや虫や貝類等がいます。
またそれらの生物を狙って海中や陸上の動物が満潮、干潮時にやってきます。
マングローブ群は独特な生態系を形成し、水の浄化にも大きな役割を果たしています。
ここではその一部を紹介します。


   

 <シレナシジミ>
大きいもので直径10〜15センチほどにもなる。水や泥の中の栄養分を主食とし、泥水を浄化してくれます。
シレナシジミ

テナガエビ  

 <テナガエビ>
川の河口から中流域、池や沼などに生息し、流れが緩やかで底が砂泥質の場所を好みます。沖縄では「タナガー」の愛称で親しまれています。

   

 <シレナシジミ>
体長約1センチほどでマングローブ群の河口干潟で大集団を形成し生息しています。 潮が引くと砂の中から姿を現わし、はさみで砂をすくいあげては口に運び、餌を取った後の砂を団子にして捨てながら移動します。 普通のカニと異なり、前に歩くのが特徴です。
ミナミコメツキガニ



 
       

協力
(有)ふくらしや自然体験塾

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